B.LEAGUEのOREB%をNBA・高校バスケと比較してみる

「リバウンドを制するものは試合を制す」
とある漫画の名セリフは、近い将来に通用しなくなるかもしれない。

現に、2/25のAsia Cup 日本-中国戦では、
オフェンスリバウンド獲得率(以降、OREB%)が日本22%- 中国38%と下回っているものの、日本が勝利を収めている。

そんなOREB%について、B.LEAGUE好きのおじさんが2つ観点で分析してみる。
B.LEAGUENBA・高校生のOREB%
B.LEAGUEにおけるOREB%と勝敗の相関


B.LEAGUENBA・高校生のOREB%
これは2007~2023年シーズンの推移だ。

 

B.LEAGUE  :B1全チームのレギュラーシーズン平均
NBA    :全チームのレギュラーシーズン平均(40分あたりに換算)
High School:日本の男子高校生の全国大会(IH・WC)の平均(一部欠損)

 

明らかに違いはある。
高校生は圧倒的に高い。これには以下の理由が考えられる。
ワンサイドゲームが多く、片方のチームがオフェンシブ・ディフェンシブともにリバウンドを独占する傾向がある。
フィールドゴール成功率が低く、リバウンドの意識が高い。

 

対して、NBAは圧倒的に低い。これには以下の理由が考えられる。
フィールドゴール成功率が高く、リバウンドの意識が相対的に低い。あえて相対的にと書いたのは、リバウンドよりもカウンターに対する意識のほうが高いというわけだ。
・3ptの試投数が多く、ロングリバウンドも多いので、そもそもリバウンドの効率が悪い。

そして、B.LEAGUEはこれらの中間に位置するのだ。

 

B.LEAGUEにおけるOREB%と勝敗の相関
では、OREB%が高いほど勝率は上がるのか。
ここでは、WinCurveを使って、B.LEAGUEにおけるOREB%と勝敗の相関を見てみよう。

WinCurveは、「なにかしらの指標」と「勝敗」の関係を示した曲線だ。
具体的な統計処理の説明は、書いてても楽しくないし、読んでもつまらないだろうから割愛する。
ざっくりいうと、
・曲線が急に立ち上がるほど、指標と勝利に相関が強い。
・曲線が立ち上がりがなだらかなほど、指標と勝利に相関が弱い。

 

 

これが、OREB%のWinCurveだ。

 


・どのシーズンもOREB%が高いほど勝率も高くなる。
・中でも、2021-22シーズンの立ち上がりが最も急だ。
 →OREB%と勝利の相関が最も強い。
・直近2シーズン(2022-23、2023-24)で、立ち上がりが緩やかになる。
 →2021-22シーズンに比べて、OREB%と勝利の相関が弱くなりつつある

 

どうやらNBAでもOREB%と勝利の相関は弱くなりつつあるらしい(「NBAバスケ超分析」佐々木クリス著)。

 

NBAとは異なり、ペイント内の外国籍が目立ちがちなB.LEAGUE
OREB%と勝利の相関は弱くなりつつあるとはいえ、依然OREB%は高いリーグである。
果たして「リバウンドを制するのものは試合を制す」リーグで居続けるのだろうか。

 

以上、おじさんがOREB%を分析してみた。

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B.LEAGUEの3ptをNBA・高校バスケと比較してみる

三井寿は山王戦で8本の3ポイントシュート(以降、3pt)を決めている。
攻撃の中心がペイントエリア(ゴール周り)だったこの時代、8本の3ptは王者山王にとって想定外だったかもしれない。

しかしながら、彼の時代から20年以上が経った今、3ptこそが攻撃の要になっているのだ。

 

そんな3ptについて、B.LEAGUE好きのおじさんが2つ観点で分析してみる。
①3ptアテンプト(試投数)
②3pt成功率

 

①3ptアテンプト
1試合当たりの3ptアテンプトを見てみよう。
これは2007~2023年シーズンの推移だ。

B.LEAGUE  :B1全チームのレギュラーシーズン平均
NBA    :全チームのレギュラーシーズン平均(40分あたりに換算)
High School:日本の男子高校生の全国大会(IH・WC)の平均(一部欠損)


NBAは2011年から急激に増えたが、直近5年は停滞、2023年は29(本/試合)。
B.LEAGUEは今でも右肩上がりだが、2023年時点でNBAより少なく27(本/試合)。そして、驚くことに2021年時点では高校生よりも少ないのだ。

 

そんなB.LEAGUEだが、直近2年は急激に増えている。
この理由を、おじさんはこう予想する。
「2021年に男子日本代表のHCに就任したトム・ホーバスが、
 3ptのアテンプトを増やすよう水面下でリーグに圧をかけていた?」

 

体の大きい外国籍が目立ちがちなB.LEAGUEでは主戦場はゴール下。3ptのアテンプトは少なくなってしまう。
しかし、最近はちょっと違う。2023シーズンの得点ランキングTOP3は日本人ガードだ(河村、ガチャピン、安藤)(2024年1月時点)。
B.LEAGUENBAのアテンプトを超えるのは時間の問題かもしれない。

 

②3pt成功率
3ptの成功率を見てみよう。

アテンプトと違い、経年的な変化はなさそうだ。NBAが36%、B.LEAGUEが34%、高校生が27%。3ptの成功率は、「バスケットボールのレベル」を表していると言えそうだ。

 

チーム別で3ptの成功率を比べてみよう。

地区別に物申すと、西高・中低・東中と言える。
特筆すべきチームは、名古屋ダイヤモンドドルフィンズだ。ここ4シーズンは36%を維持しており、NBAの水準にある。

 

以上、おじさんが3ptを分析してみた。

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